運営編

アウトレットの販売

 

アウトレットの案内雑貨ブームも落ち着いて、雑貨屋が衣料品を多く扱うようになってきた頃です。

サンプルとB級商品をアウトレットと称して販売するようになりました。

まだ日本にアウトレットモールはなく、店に来てくれるお客さんもアウトレットという言葉を知っている人はほとんどいませんでした。

サンプル商品を売り始めて

アパレル企画業の得意先から、サンプル(見本品)があるけど売れないか?
という話がありました。

サンプルとはアパレルが新商品を開発する時に作成する見本品です。

本生産に入る前にサイズ修正、デザイン変更を繰り返しながら3回ぐらい作り直します。

商品化されずに没になったり、素材(生地)が本生産と違っていたり、色や細かいデザインのデティールが違っていたり…。

完成されてないものが多いです。

中にはシッピングサンプル(船積見本)のように、現物から抜いたようなものもありますがごくわずか。

工場からアパレルに無償提供のものもあれば、サンプル代(作成代)を支払って作ってもらった有償サンプルもあります。

なので、アパレルは使わなくなったサンプルはも少しでもお金に変えたいのが本音です。

ただしあまり目立つ所に売るとまずいので、当たり障りのない当店に白羽の矢がたちました。(他の売り先からクレームが出る。)

未完成品だったり、シーズン遅れとはいえ市場価格の1/2~1/10なので良く売れました。

ただし、サンプルはほとんどが1点物なので売れたからといって追加できるものではありません。

売れるけど絶対量が不足します。

「ぼちぼちサンプルたまってきたけど取りに来てー」という連絡をひたすら待つのみ!

B級商品も売るように

そこでB級商品(不良品)をわけあり商品として売ることになって、いよいよ‶雑貨のあるアウトレット店″の始まりです!

B級商品は検品時になんらかの不良箇所が見つかって出荷できなかったり、店頭で不良箇所が見つかって返品になったなどの不良商品です。

本生産商品なのでサンプルに比べると数量も格段に多くなります。
(不良品を作りたくて作っているのではないのですが…)

つきあいのある商社、紹介してもらった工場の方などに頼んでわけてもらうことになりました。

不良品とはいえ、本生産品として以前市場に出回っていたものをわけありという理由で通常価格より安く販売するので相当の信頼関係がないと売ってもらえなかったです。

その反面、不良品でも材料費、縫製工賃、管理費、その他がかかっているので、商社や工場も問題のないところに売って少しでも回収したいのです。

商社や工場にはたいてい昔からつながっていて専門で処分をまかされている業者がいました。

その業者さんも商品を持っていきますので、その隙間で商品を確保することが難しかったです。

B級商品は正規に販売している近くの店で販売していたり、同じ時期に販売しているとまずいのでシーズン終了後に入荷してきます。

(正規に販売しているお店からクレームがあったら、そのアパレルとの取引が停止になる恐れがある。)

シーズン初期の検品時に出た少量のB級商品はぎりぎりそのシーズン後半に売ることができますが、大半が半年から一年後に売ることになります。

店頭に出すことができないので、時期がくるまで店舗の2階のスペースに在庫として保管していました。

ブランドタグ、ラベル、洗濯表示ラベルも取り除くようにいわれました。

どこのブランド、メーカーのものかわかるとマズイですからね!

このような約束事を守ることはわけてくれている仕入れ先さんに対するマナーです。

というか、これを守れそうもないと思われるような信頼関係では売ってもらえないということです。

値段の付け方

入荷してくる商品の状態はさまざまでした。

少しのシミ・キズなどで着るのには全く問題のない商品もあれば、穴が開いていたり売るのも困難な不良箇所があるものもあります。

利益率のいいものもあれば、原価を割って売らなければいけないようなものもあるのでトータルで利益を出すことを考える。

流行、入荷数量、コンデション、元々の価格、売れそうかどうか?
などを見極めがながら値段をつけていきます。

いくら売れ筋でも入荷数量が多いもの、コンデションの悪い商品はなくすことを前提に安くなってしまいます。

売るというよりできるだけ損をしないように在庫をなくすです。

次の入荷でまた同じ商品ばかりだったということはザラです。

そうなるとまた値下の繰り返しを何回もすることになります。

お客さんが知っているようなブランドのコンデションがいいB品、デザインのいいサンプル商品は高くつけることができます。

これらで利益をとっておきます。

ようはこちらの意向どおりに商品が入荷してこないので、入荷状況、在庫状況をみながら細かい対応が必要な作業です。

仕入の仕方、入荷の状態

⓵アパレルや商社の倉庫に行って自分で選んで抜いて現金で支払って持ち帰ってくるパターン。

ご好意に甘えて、いる分だけ好きな物を抜かしてもらってました。

利益が出やすく売りやすいですが、そんな都合のいい商品はなかなか集まりません。

こういった仕入先が何社もあったので助かりました。

⓶B品、サンプルが出てきたら連絡してくれて送ってもらうパターン。

カートン単位の出荷、月に何回も送ってくれていたので支払は末〆の後払い。

商社は生産量、かかえているアパレルの数も多いのでB品、サンプルも多くでてきます。

取引先のアパレルによってテイスト、メンズ、レディース、子供など違っているので種類が豊富。

ただ大手チェーンの店頭返品のB品になると入荷数量じたいも多いのですが、中身は同じ商品が多いということがあります。

いろんな種類、絶対量を確保するには絶対必要ですが利益は出にくいかも。

  • 店頭返品:店頭で不良箇所が見つかって返品された不良品です。
  • 工場で検品時に出たB品:生地の不良、裁断ミス、縫製ミスなどによって工場から出荷できなくなった不良品です。
  • 全量返品・キャンセル品:納期送れ、仕様が指示と違う、未引き取り(売れてないので出荷させてもらえない)

などの理由で返品及び、キャンセルされた商品。

同じ商品で大量にあるのでとても個人店では対応できない数量が多い。

※仕入れ先の具体的な名称は迷惑がかかるので控えさせていただきます。

⓷仕入れ値:1枚¥50~¥1000

仕入れ先によって一律1枚いくらで決めてもらっていました。

買う数量、コンディションに関係なくどのような商品も同じ下代(仕入れ値)です。

同じものの量が多いB品などの時には、値段を下げてくれたりしました。

※中には買う数量、元々の価格、コンディションによって商品ごとにまちまちの仕入先もありました。

アウトレットとは?

昔、アパレル勤務時代にアメリカのロス郊外の砂漠みたいなところにあったアウトレットモールにいったのがアウトレットの存在を始めて知った時でした。

ラルフ・ローレン、GAP、エディバウアー、ナイキ、バナナリパブリック、L.L.Bean、クイックシルバー、ビラボンなどの「メーカーブランド」や「ハイファッションブランド」が軒を連ねていました。

しかもそこにある商品は通常の正規販売店ではありえない値段で!!!

在庫偏り商品、サンプル、市場に出せなかったキャンセル商品、キズ物、シーズン遅れの処分品を低価格で販売す新しい流通小売りの形態でした。

ブランドイメージをそこなわないために、ダウンタウンにある正規販売店からかなりはなれたへんぴな場所にあります。

現在日本には各所にアウトレットモールがありますが、アウトレットモールといった名称のショッピングセンターのようにとらえられているように思います。

サンプルとかB品(不良品)を売っているところは少なく、セールでも売れ残った処分品かアウトレット店舗用に開発した商品を売っているところがほとんどです。

アウトレットの売れ方の変化と仕入状況の変化

始めた頃のキャッチフレーズ、『少々のキズや汚れなどがある「理由あり」なので安くなってますよ!』

元々の価格に比べてお値打ち感が高かったので、とにかく売れました。

その後も順調に売れ、仕入れ先もどんどん増えていきました。

高い値段も通用して、在庫バランスも良かったので利益も出ていました。

アウトレットを始めて7~8年。

店に来てくれるお客さんもアウトレットという言葉に慣れてきた頃からだんだんときびしい状況に!

GUなど新品で極端に値段の安い商品を売る店の台頭などもあって、キズや汚れのあるわけあり商品の価格はどんどん下がっていきました。

もともとの値段が高い、ブランド品であるなど、より価値がないと売れなくなりました。

わけあり商品の値段が通じない。大量にある商品だったり、ほしくない商品はいくら安くても買わない。

少しだけ高いならより希少価値があるほうが売れる傾向が顕著になりました。

長引く不況でアパレルの生産量が年々減少して、サンプル・B品がでてくる数量がどんどん少なくなってきました。

また仕入れ先であるアパレルや商社なども廃業するところがでてきました。

あたりまえですが商品がないと売上ができない。こまりました!

新規でわけてくれる仕入れ先をさがしましたが、商社などは警戒感が強くなかなか難しかったです。

どこから流失したかわからないようなブランド品・メーカー品のサンプル・B品などをネットオークションなどで販売する業者(ばった屋)がいて、アパレルから「ブランドイメージを汚す」ということでクレームが出てきていたからです。

そのようなことで不良品は焼却処分を依頼しているのですが、中には産廃業者まで探しにきていたらしいです。

このような状況でますますアウトレットの仕入がきびしくなっていきました。

最終的には売り上げを作るために必要な分のアウトレットの仕入ができなくなり、店の閉店を考えました。

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